第52回関西俳句大会
日時:平成29年5月27日
於:大阪・淀屋橋朝日生命ホール
【朝日新聞社賞・関西俳句大会賞】
先づ闇を作ることより闇汁会 三重県 手塚泰子
【関西俳句大会賞】
なまはげの帰ると見せて戻り来し 和歌山県 倉田信司
お遍路やちぎれさうなる地図広げ 滋賀県 前田攝子
献体の師の戻りけり冬銀河 三重県 松村正之
熊野古道谷の底まで蜜柑熟る 和歌山県 冨山貞子
ともづなを解けばこぼれて夜光虫 大阪府 山内節子
子規の忌の息吸うて吐く検査なり 大阪府 山中谷勝子
母の日や丸だけで描く母の顔 広島県 渡里トモ枝
神の座は五枚の筵初神楽 三重県 小林青波
茨木和生特選
普段着の綾子をさがす桑畑 高瀬博子
隠国の山薬の名を忘初 上村佳与
配餅目出たきことを言ひながら 山内茉莉
鷹羽狩行特選
なまはげの帰ると見せて戻り来し 倉田信司
行く先は誰にも告けず春日傘 野口喜久子
寒卵弾みを付けて割りにけり 中家桂子
江崎紀和子特選
欠点は欠点として卒業す 松本愛子
お遍路やちぎれさうなる地図広げ 前田攝子
いつの世と山椒魚の目が問へり 浅田光代
石井いさお特選
寒泳の海を傾げて水書せり 三輪明美
寒垢離の衣に透けゐる気迫かな 白木原玲子
蓮根掘終へ長靴の重さ脱ぐ 山中悦子
大峯あきら特選
秋晴るるだけで倖せかと思ふ 福本せつこ
病人の話したがりて日脚伸ぶ 尾㟢晶子
鍬かつぎとぼとぼ行けば雉子鳴ける 島田たみ子
大石悦子特選
陪塚といふ一塊の茂かな 大和愉美子
次の世は夫も子も欲し手鞠唄 山内節子
オルガンのぶふかぶふかと春歌ふ 江藤隆刀庵
西池冬扇特選
さくら散り込む放課後の兎小屋 福井貞子
藻の花のゆらぎ光輪生まれけり 倉田信司
なまはげの帰ると見せて戻り来し 倉田信司
名村早智子特選
那智の滝己がしぶきを抜けて落つ 貞許泰治
先づ闇を作ることより闇汁会 手塚泰子
占ひと違ふ人生毛糸編む 中川計介
森田純一郎特選
紙雛わづかな風に倒れけり 北川たみ子
とんとんと杓で網打ち白魚汲む 富田範保
ともづなを解けばこぼれて夜光虫 山内節子
山尾玉藻特選
ごつそりと減りたる薪や鳥帰る 景山みどり
藪巻のまだ木に添はぬ荒筵 高瀬博子
手の届く幸せしだれ桜かな 串田洋子
塩川雄三特選
満願の帰りに風邪を引いてをり 菅原くに子
母の倍生きて母の日迎へけり 浦井善史
闇市も闇米も死語終戦忌 上和田玲子
柴田南海子特選
雪の夜を灯してガレのランプかな 向井美鈴
シャム猫の尾を立ててゐる春の宵 山岡正幸
歌留多取り君は少女のままなりき 赤澤佳寿子
小河洋二特選
鍛冶の火を見し目に炉火のやはらかし 尾崎恵美子
手と足でよろこぶ赤子しやぼん玉 長谷川閑乙
蜆売鍋に良き音落としけり 塚本治彦
宮田正和特選
海を抱き吾が影を抱き海女沈む 廣波青
天敵は風邪と話せる鮑海女 山本孝子
雪搔いて人と一日会はず暮る 福井英敏
古賀雪江特選
熊野古道谷の底まで蜜柑熟る 冨山貞子
義経の鎧見てゐる花疲 井村啓子
人波の先に山鉾動き出す 笛吹明男
田島和生特選
兎の目ほどの木の実を植ゑにけり 涼野海音
母の日や丸だけで描く母の顔 渡里トモ枝
有終の美の裸木となりにけり 縣恒則
和田華凜特選
白山に会へず二重の虹にあふ 近藤昶子
お遍路やちぎれさうなる地図広げ 前田攝子
まつすぐに来て少年の破魔矢享く 和多哲子
手拝裕任特選
看取るとは石負ふに似て十二月 廣波青
クラス会登山電車に待ち合はす 加舎泰子
ライオンの形に解けて雪達磨 徳留邦子
三村純也特選
子ら下ろし喧嘩だんじり走り出す 原田慶子
鷽替ふとかかと踏まれてをりにけり 西田洋
目の入りし達磨転がりどんど焼 草野准子
大橋晄特選
払暁の光となりて初鴨来 川野喜代子
有終の美の裸木となりにけり 縣恒則
炭焼の煤けし顔のふたりかな 三宅崇代
朝妻力特選
この里に老いてどんどの火付け役 荒木信夫
先づ闇を作ることより闇汁会 手塚泰子
陪塚といふ一塊の茂かな 大和愉美子
柏原眠雨特選
献体の師の戻りけり冬銀河 松村正之
鷽替ふる最後は母に似しひとと 高木節子
熊野古道谷の底まで蜜柑熟る 冨山貞子
津川絵理子特選
春近し火の玉飛ぶといふ山も 式地須磨
素戔嗚の力授かる七五三 小橋さち江
陵の森のふくらみ春近し 吉川康子
井上弘美特選
流氷を立ち上がらせて船進む 広田祝世
子規の忌の息吸うて吐く検査なり 山中谷勝子
マフラーを巻いて獣医の聴診器 手拝なをみ
西村和子特選
なまはげの帰ると見せて戻り来し 倉田信司
片付かぬ仕事も御用納かな 伊藤とし子
金魚に指つつかせてゐる一人の夜 佐藤廈与
徳田千鶴子特選
母の日や丸だけで描く母の顔 渡里トモ枝
雀語も鳩語もはづみ春めける 井上惠美子
梅に足り吾に足らざる日差かな 藤堂くにを
岩城久治特選
アトリエに冬日たつぷりそして裸婦 能勢ゆり
雪兎日中に跳ねて消ゆるやも 吉川美登里
百枚の円座論語を学びけり 浅井陽子
有馬朗人特選
深吉野の瀬音そびらに若菜摘む 中谷恵美子
霜の夜の止り木に聞くボブディラン 横田恵
杣人の柩に入るる輪樏 浅井陽子
小路智壽子特選
献体の師の戻りけり冬銀河 松村正之
紙魚走る考の筆跡ある辞書を 佐藤紘子
神の座は五枚の筵初神楽 小林青波
山本洋子特選
神の座は五枚の筵初神楽 小林青波
山茶花の白ばかりなり詩仙堂 春名勲
蕎麦刈りしあとのしづけさ月のぼる 町井寂石
辻田克巳特選
子規の忌の息吸うて吐く検査なり 山中谷勝子
草餅をショーの如くに搗いて売る 森田幸夫
誰彼に陽の降り注ぐ寒日和 伊田タキ子
於:大阪・淀屋橋朝日生命ホール
【朝日新聞社賞・関西俳句大会賞】
先づ闇を作ることより闇汁会 三重県 手塚泰子
【関西俳句大会賞】
なまはげの帰ると見せて戻り来し 和歌山県 倉田信司
お遍路やちぎれさうなる地図広げ 滋賀県 前田攝子
献体の師の戻りけり冬銀河 三重県 松村正之
熊野古道谷の底まで蜜柑熟る 和歌山県 冨山貞子
ともづなを解けばこぼれて夜光虫 大阪府 山内節子
子規の忌の息吸うて吐く検査なり 大阪府 山中谷勝子
母の日や丸だけで描く母の顔 広島県 渡里トモ枝
神の座は五枚の筵初神楽 三重県 小林青波
茨木和生特選
普段着の綾子をさがす桑畑 高瀬博子
隠国の山薬の名を忘初 上村佳与
配餅目出たきことを言ひながら 山内茉莉
鷹羽狩行特選
なまはげの帰ると見せて戻り来し 倉田信司
行く先は誰にも告けず春日傘 野口喜久子
寒卵弾みを付けて割りにけり 中家桂子
江崎紀和子特選
欠点は欠点として卒業す 松本愛子
お遍路やちぎれさうなる地図広げ 前田攝子
いつの世と山椒魚の目が問へり 浅田光代
石井いさお特選
寒泳の海を傾げて水書せり 三輪明美
寒垢離の衣に透けゐる気迫かな 白木原玲子
蓮根掘終へ長靴の重さ脱ぐ 山中悦子
大峯あきら特選
秋晴るるだけで倖せかと思ふ 福本せつこ
病人の話したがりて日脚伸ぶ 尾㟢晶子
鍬かつぎとぼとぼ行けば雉子鳴ける 島田たみ子
大石悦子特選
陪塚といふ一塊の茂かな 大和愉美子
次の世は夫も子も欲し手鞠唄 山内節子
オルガンのぶふかぶふかと春歌ふ 江藤隆刀庵
西池冬扇特選
さくら散り込む放課後の兎小屋 福井貞子
藻の花のゆらぎ光輪生まれけり 倉田信司
なまはげの帰ると見せて戻り来し 倉田信司
名村早智子特選
那智の滝己がしぶきを抜けて落つ 貞許泰治
先づ闇を作ることより闇汁会 手塚泰子
占ひと違ふ人生毛糸編む 中川計介
森田純一郎特選
紙雛わづかな風に倒れけり 北川たみ子
とんとんと杓で網打ち白魚汲む 富田範保
ともづなを解けばこぼれて夜光虫 山内節子
山尾玉藻特選
ごつそりと減りたる薪や鳥帰る 景山みどり
藪巻のまだ木に添はぬ荒筵 高瀬博子
手の届く幸せしだれ桜かな 串田洋子
塩川雄三特選
満願の帰りに風邪を引いてをり 菅原くに子
母の倍生きて母の日迎へけり 浦井善史
闇市も闇米も死語終戦忌 上和田玲子
柴田南海子特選
雪の夜を灯してガレのランプかな 向井美鈴
シャム猫の尾を立ててゐる春の宵 山岡正幸
歌留多取り君は少女のままなりき 赤澤佳寿子
小河洋二特選
鍛冶の火を見し目に炉火のやはらかし 尾崎恵美子
手と足でよろこぶ赤子しやぼん玉 長谷川閑乙
蜆売鍋に良き音落としけり 塚本治彦
宮田正和特選
海を抱き吾が影を抱き海女沈む 廣波青
天敵は風邪と話せる鮑海女 山本孝子
雪搔いて人と一日会はず暮る 福井英敏
古賀雪江特選
熊野古道谷の底まで蜜柑熟る 冨山貞子
義経の鎧見てゐる花疲 井村啓子
人波の先に山鉾動き出す 笛吹明男
田島和生特選
兎の目ほどの木の実を植ゑにけり 涼野海音
母の日や丸だけで描く母の顔 渡里トモ枝
有終の美の裸木となりにけり 縣恒則
和田華凜特選
白山に会へず二重の虹にあふ 近藤昶子
お遍路やちぎれさうなる地図広げ 前田攝子
まつすぐに来て少年の破魔矢享く 和多哲子
手拝裕任特選
看取るとは石負ふに似て十二月 廣波青
クラス会登山電車に待ち合はす 加舎泰子
ライオンの形に解けて雪達磨 徳留邦子
三村純也特選
子ら下ろし喧嘩だんじり走り出す 原田慶子
鷽替ふとかかと踏まれてをりにけり 西田洋
目の入りし達磨転がりどんど焼 草野准子
大橋晄特選
払暁の光となりて初鴨来 川野喜代子
有終の美の裸木となりにけり 縣恒則
炭焼の煤けし顔のふたりかな 三宅崇代
朝妻力特選
この里に老いてどんどの火付け役 荒木信夫
先づ闇を作ることより闇汁会 手塚泰子
陪塚といふ一塊の茂かな 大和愉美子
柏原眠雨特選
献体の師の戻りけり冬銀河 松村正之
鷽替ふる最後は母に似しひとと 高木節子
熊野古道谷の底まで蜜柑熟る 冨山貞子
津川絵理子特選
春近し火の玉飛ぶといふ山も 式地須磨
素戔嗚の力授かる七五三 小橋さち江
陵の森のふくらみ春近し 吉川康子
井上弘美特選
流氷を立ち上がらせて船進む 広田祝世
子規の忌の息吸うて吐く検査なり 山中谷勝子
マフラーを巻いて獣医の聴診器 手拝なをみ
西村和子特選
なまはげの帰ると見せて戻り来し 倉田信司
片付かぬ仕事も御用納かな 伊藤とし子
金魚に指つつかせてゐる一人の夜 佐藤廈与
徳田千鶴子特選
母の日や丸だけで描く母の顔 渡里トモ枝
雀語も鳩語もはづみ春めける 井上惠美子
梅に足り吾に足らざる日差かな 藤堂くにを
岩城久治特選
アトリエに冬日たつぷりそして裸婦 能勢ゆり
雪兎日中に跳ねて消ゆるやも 吉川美登里
百枚の円座論語を学びけり 浅井陽子
有馬朗人特選
深吉野の瀬音そびらに若菜摘む 中谷恵美子
霜の夜の止り木に聞くボブディラン 横田恵
杣人の柩に入るる輪樏 浅井陽子
小路智壽子特選
献体の師の戻りけり冬銀河 松村正之
紙魚走る考の筆跡ある辞書を 佐藤紘子
神の座は五枚の筵初神楽 小林青波
山本洋子特選
神の座は五枚の筵初神楽 小林青波
山茶花の白ばかりなり詩仙堂 春名勲
蕎麦刈りしあとのしづけさ月のぼる 町井寂石
辻田克巳特選
子規の忌の息吸うて吐く検査なり 山中谷勝子
草餅をショーの如くに搗いて売る 森田幸夫
誰彼に陽の降り注ぐ寒日和 伊田タキ子